日本の学校に通う子どもたち

 今年度(平成27年度)磐田市の公立小中学校には、370人を超える外国にルーツを持つ児童生徒が在籍しています。リーマンショックの後帰国などで大きく減少しましたが、ここ4~5年増加の傾向にあります。この児童生徒の多くは、日本語での学習が難しく支援を必要とする子どもたちです。磐田国際交流協会は、10年程前から小学校にJSLサポーターを派遣して、外国にルーツを持つこのような児童の学習支援を行ってきました。

 サポーターが支援している子どもたちの中には、日本で生まれ育った子どもも大勢います。彼らの多くは母語も話せるし日本語も日常会話には困りませんが、バイリンガルかというと実はそう言えない場合が少なくありません。家庭でよほど意識しない限り、母語の難しい概念の語彙は習得できませんし、読み書きもできません。日本語も先生や友だちとの日常会話と定着しきれない学習語彙が主で、多様な語彙や抽象的な概念などは習得が難しい。そういう子どもたちは、母語でも日本語でも思考が育たないという状況を招いてしまう可能性があるのです。

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